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【スローに歩く、北欧の旅 #4】バリスタ世界チャンピオンの店が取り組む、サスティナブルな試み

カボニュー|地球にいいことが見つかる場所

みなさん、こんにちは。ライターの森百合子です。カボニューにつながる、北欧での体験を紹介するこの連載。今回はコーヒーショップにおけるサスティナブルな取り組みについてご紹介します。

北欧はコーヒーの国です。一日3~4杯ほど飲むのは当たり前の人も多く、国際コーヒー機関(ICO)の調査によるとフィンランドやノルウェーは一人当たりのコーヒー消費量で世界ナンバーワンになったこともあります。

他の北欧諸国も軒並みコーヒー党で、日本でも最近よく耳にするようになった「フィーカ」という言葉はスウェーデン生まれ。フィーカとはコーヒーを飲みながら甘いお菓子をつまんで、おしゃべりをしたりリラックスする時間のことで、一説にはコーヒーを意味するカッフィという言葉を逆読みして生まれたと言われています。

伝統的なコーヒー文化にくわえて、コーヒー豆の品質をはじめ、焙煎や抽出方法を追求するいわゆるサードウェーブ系コーヒーも盛り上がっています。
2000年から始まったバリスタの技術を競う世界大会で、初代チャンピオンに輝いたのはノルウェーのバリスタ。その後デンマークからは4名、ノルウェーからもう1名と、北欧からバリスタの世界チャンピオンが6名も生まれているんです。

北欧を旅する目的といえばオーロラやフィヨルド、またデザインや福祉システムの視察などが筆頭にあげられますが、昨今はコーヒー修行で北欧を目指す人も出てきているんですよ。
 
コーヒー業界では、気候変動への危機感が大きいです。コーヒー農園は主に熱帯地域に多いこと、またコーヒー栽培は気候の変化に影響を受けやすく、温暖化によるコーヒー生産量の減少や栽培環境の悪化がすでに起きているからです。
もともとコーヒー産業は生産者に利益が還元されにくい状態にあり、そこに気候変動による打撃がくわわれば、近い将来には生産を続けられなくなり、そのうちコーヒーが飲めなくなってしまうとも指摘されています。こうした問題に直面していることから、2050年のカーボンニュートラル目標を待っていては遅すぎる、できることからすぐにでもアクションを起こそうと声をあげる人が少なくないのです。

デンマーク出身のバリスタ世界チャンピオン、クラウス・トムセン氏と、カッピング(コーヒーの味と品質を見極める技術)の世界チャンピオンであるキャスパー・ラスムッセン氏、そしてピーター・デュポン氏の3人が2008年にはじめたコペンハーゲンのコーヒーショップ、コーヒーコレクティブでは早い時期から環境への問題に取り組んでいます。
例えば、2013年には店内で使う電力を100%風力発電に切り替えることで、コーヒー1杯につき40%近くの温室効果ガス削減を実現できたそうです。
 
一方で顧客たちが協力できるアクションとして、テイクアウト用にリユースできるステンレスカップを導入しています。このステンレスカップは、飲み終えた後に町中で戻す場所をアプリで探せて、きちんとカップを返品さえすれば無料で使えるという優れた仕組み。
ちなみにこの仕組みを考えたのもデンマークのスタートアップ企業なんです。「コーヒーの味わいを落とすことなく、保温性も高いからコペンハーゲンの町で使うのにぴったりだよ」とトムセン氏も太鼓判を押しています。
 
新店舗を作る際にも廃屋から石材をリサイクルして使うなど、できるだけ環境負担の少ない素材や工法を選ぶようにしているとのこと。2018年からは毎年サスティナブルレポートを提出し、こうした試みが実際にどれだけカーボンニュートラル目標を実現できたかを報告しています。
 

こちらはコーヒーコレクティブの店内で、私がはじめて飲んだ一杯です。

食の取材をしていた時に「いま北欧のコーヒーが面白いよ!」と行く先々で教えられ訪れたのが2011年のこと。ひと口飲んで、それまで飲んでいたコーヒーの味とまったく違ったのでびっくりしました。ブラックコーヒーは苦味がなくて、ジューシーでお茶のような味わい。牛乳を入れたカフェラテはロイヤルミルクティのようでした。おいしいのはもちろん、透明性の高い取引でコーヒー農園をサポートする姿勢にも共感し、ここから北欧コーヒーの魅力にはまっていきました。
 
北欧のコーヒーシーンを取材していいなあと思うのは、知識や経験をシェアしようという姿勢。
カーボンニュートラルへの取り組みも、業界だけでなく顧客とシェアすることで「コーヒーの飲み方、選び方が社会や環境を変える一歩につながっている」と考えさせ、アクションの輪を広げていってるんですよね。学びの多い北欧コーヒーの話、今後もまた取り上げていきますね!

コペンハーゲンの町中で出会った猫さん。Mjav(デンマーク語でニャー)!

プロフィール  森 百合子(もり ゆりこ) 
北欧5カ国で取材を重ね、ライフスタイルや旅情報を中心に執筆。主な著書に『3日でまわる北欧』(トゥーヴァージンズ)、『北欧ゆるとりっぷ』(主婦の友社)、『いろはに北欧』(学研プラス/地球の歩き方)など。執筆活動に加えてNHK『世界はほしいモノにあふれてる』『趣味どきっ!』などメディア出演や、講演など幅広い活動を通じて北欧の魅力を伝えている。築88年の日本家屋に暮らし、北欧デザインを取り入れたリノベーションや暮らしのアイデアも実践中。 
HP:https://hokuobook.com
Instagram:@allgodschillun


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